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▼ マドンナーロって何? ▼

マドンナーロ(Madonnaro)とは?

マドンナーロ(Madonnaro)とはイタリア語で「聖母を描く人」または「聖母を描く仕事」という意味です。
中世のイタリアで、お祭りの日に地面に聖母やその町の守護聖人の絵を描いたりしたのが、その始まりだと言われています。

ストリートペインティング、チョークアート、ペイブメントアート、サイドウォークアートと呼ばれることもあります。

また、ヨーロッパには町から町へ移動しながら、教会前の広場などに絵を描いて、道行く人に食べ物やお金をもらって、生活していた人たちもいたようです。エル・グレコがイタリアからスペインに行くときに、地面に絵を描きながら旅を続けたという話もあります。

今でも花びらや着色したおがくずなどで、道路に絵や装飾模様を描くお祭りが、イタリア、スペイン、中南米など、カトリックの国に残っています。(フラワーカーペットと呼ばれています)

消える絵、残らない絵というコンセプトはカトリックに限らず、チベットの砂の曼荼羅や、アメリカの先住民ナバホ族の砂絵など、他の宗教にも見られます。それはきっと人類共通の祈りの姿だったのでしょう。

※ 英語でMadonnari(マドンナーリ)と呼ばれることもありますが、それはイタリア語の複数形です。因みに女性だったらMadonnara(マドンナーラ)です。


▼ 道で描いてるときによく聞かれる質問 ▼

● これって、地面に直接描いてるんですか?
● 何で描いてるんですか?
● 消えるんですか?
● どのくらい時間がかかりますか?
● どこから描き始めるんですか?
● この絵はいつ完成ですか?
● いつも写真は撮ってるんですか?
● 残らないなんて寂しくないですか?

● これって、地面に直接描いてるんですか?

 はい。

● 何で描いてるんですか?

 基本的にチョークとパステルです。
チョークは普通に黒板に使うチョーク。パステルは安いものから1本300円の高級なものまで使い分けています。
チョークだけだと絵が貧相になるし、高級なパステルだけだと私が貧乏になります。

● 消えるんですか?

 消えます。
雨が降ればすぐに流れるし、上を人が歩いたり車が通ったりするうちに、だんだん薄くなって消えていく感じです。
定着しない画材なので、風の強い日などは、描いている途中でも色が飛んで行きます。最初に描いた部分が、すでに薄くなっていたりとか。

でも朽ちてゆく姿も、私は美しいと思ってるんですけどね・・・。

● どのくらい時間がかかりますか?

 描くものによりますが、だいたい1日。2日。 3日。
1週間かけて描く絵もあります。3時間で描く絵もあります。

1日に描ける面積は、絵の構図の複雑さと地面の状態でかなり変わりますが、だいたい1.5u〜4uぐらいです。

● どこから描き始めるんですか?

 顔。
通行人はその場にいつまでもいるわけじゃないので、最後に全体が仕上がって絵になっても意味がありません。
いつ見られても、それなりの完成した絵に見えるように考えながら、描いています。(例 1例 2

● この絵はいつ完成ですか?

 フェスティバルとかコミッション(契約)で描くとき以外は、私は基本的に絵を完成させないんです。
描いてるところが見せ場ですから。
見物人がいる限り、いくらでも描き足していきます。
反対に言うといつでも完成(?)です。

招待されてるときはもちろん規定の時間にきっちり描き込んで完成させます。プロですからね・・・一応。

● いつも写真は撮ってるんですか?

 写真は撮るときもありますし、撮らないときもあります。
基本的に写真ではうまく伝わらないんじゃないかと思っています。
だいたい大きさが伝わりません。

それにカメラは一眼ですから、パースがかかって非常に絵がひずんで見えます。人間の目は2つで奥行きを測って修正して見ているようです。

但し、特定の位置からレンズを通したときに3D(立体)に見えるように、絵の方をひずませて描く「写真用の絵」はあります。(例 1例 2

● 残らないなんて寂しくないですか?

 マドンナーロの絵は、出来上がっていくプロセスこそが真髄であり、人を惹きつけるのだと思います。その時間、その場所にいた人だけが体験するもの、アートというよりパフォーマンス、大道芸だと思っています。

人々の記憶の中に、思い出として残れば嬉しいです。ついでに横に置いてある箱にコインを入れてくれたら、さらに嬉しいです。


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