● これって、地面に直接描いてるんですか? |
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はい。
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● 何で描いてるんですか? |
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基本的にチョークとパステルです。 チョークは普通に黒板に使うチョーク。パステルは安いものから1本300円の高級なものまで使い分けています。 チョークだけだと絵が貧相になるし、高級なパステルだけだと私が貧乏になります。
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● 消えるんですか? |
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消えます。 雨が降ればすぐに流れるし、上を人が歩いたり車が通ったりするうちに、だんだん薄くなって消えていく感じです。 定着しない画材なので、風の強い日などは、描いている途中でも色が飛んで行きます。最初に描いた部分が、すでに薄くなっていたりとか。
でも朽ちてゆく姿も、私は美しいと思ってるんですけどね・・・。
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● どのくらい時間がかかりますか? |
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描くものによりますが、だいたい1日。2日。 3日。 1週間かけて描く絵もあります。3時間で描く絵もあります。
1日に描ける面積は、絵の構図の複雑さと地面の状態でかなり変わりますが、だいたい1.5u〜4uぐらいです。
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● どこから描き始めるんですか? |
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顔。 通行人はその場にいつまでもいるわけじゃないので、最後に全体が仕上がって絵になっても意味がありません。 いつ見られても、それなりの完成した絵に見えるように考えながら、描いています。(例 1、例 2)
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● この絵はいつ完成ですか? |
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フェスティバルとかコミッション(契約)で描くとき以外は、私は基本的に絵を完成させないんです。 描いてるところが見せ場ですから。 見物人がいる限り、いくらでも描き足していきます。 反対に言うといつでも完成(?)です。
招待されてるときはもちろん規定の時間にきっちり描き込んで完成させます。プロですからね・・・一応。
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● いつも写真は撮ってるんですか? |
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写真は撮るときもありますし、撮らないときもあります。 基本的に写真ではうまく伝わらないんじゃないかと思っています。 だいたい大きさが伝わりません。
それにカメラは一眼ですから、パースがかかって非常に絵がひずんで見えます。人間の目は2つで奥行きを測って修正して見ているようです。
但し、特定の位置からレンズを通したときに3D(立体)に見えるように、絵の方をひずませて描く「写真用の絵」はあります。(例 1、例 2)
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● 残らないなんて寂しくないですか? |
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マドンナーロの絵は、出来上がっていくプロセスこそが真髄であり、人を惹きつけるのだと思います。その時間、その場所にいた人だけが体験するもの、アートというよりパフォーマンス、大道芸だと思っています。
人々の記憶の中に、思い出として残れば嬉しいです。ついでに横に置いてある箱にコインを入れてくれたら、さらに嬉しいです。
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